鹿島FOS(仮)

鹿島を中心に戦術ではなく、データでサッカーを語ります

2012年シーズンオフ移籍分析

2021年も含めて鹿島史上最低の成績に終わった2012年のシーズンオフ

ここで移籍がどのようによっての戦力のを分析してみる事とする

もちろん、このブログを閲覧している人も含めて2021年に生きているので、この移籍がどのような結果をもたらしたか知っているが、移籍がポイントが適切だったかどうかの振り返りをするために、あくまでも2012年当時の成績を基に、分析していく

 

監督

ジョルジーニョ⇒out
トニーニョ・セレーゾ⇒in

 

まず、一番大きいのは監督が変わった事。

鹿島の偉大なるレジェンド、ジョルジーニョナビスコカップは取ったもののリーグ戦の苦戦もあり、当初からの1年契約を延長せず、1年でサヨナラとなった

後任は、小笠原・中田浩二・本山・曽ヶ端を育て、3冠とシーズン連覇を成し遂げたトニーニョ・セレーゾ

時代の巻き戻し感はあるものの、柴崎・土居・昌子といった有望な若手を育成して、次の土台作りをしようとする意図を感じる交代劇であった。

 

次に、ポジション毎の移籍状況を見ていきたい。

能力値(K偏差値)

 

 

DF

IN
前野貴徳(愛媛)・・・532.73(J2)

植田直通(新人)

 

out
新井場徹(C大阪)・・・373.58(58.7)
宮崎智彦(磐田)・・・出場なし
アレックス(徳島)・・・124.19(45.7)

 

まず、大きなところで、

新井場 徹が移籍でセレッソに言ってしまった事である。

コレは非常に痛い。

2012年の新井場の能力値は、373.58(58.7)と歴代のサイドバックと比較しても及第点の数字を残しており、28試合に先発し、まさに不動のサイドバックとして活躍していた新井場の移籍は大きなダメージである。

と同時に、主に前線での出場がメインだったがアレックスの退団も痛く、代わりの選手の不安は否めない。

新井場の代わりとして獲得したであろう前野は2012年はJ2愛媛で主にLSHとして29試合先発出場し、J2での能力値(Chance Building Point)は532.73とかなり高い能力を発揮していたが、J2の力そのままJ1で発揮できるか不透明と言ったところである。

新人で植田が加入したが、コレもまた未知数と言ったところ。

DFが弱点(と言ってもCBだが)だった、2012年の結果を鑑みると正直新井場の流出が痛い、DFの戦力補強である。

 

MF

IN
野沢拓也(神戸)・・・445.99(68.9)
中村充孝(京都)    ・・・583.33(J2)
川島大地(山形)・・・4.06(J2)
豊川雄太(新人)

out
増田誓志(蔚山現代)・・・73.71(35.4)
ドゥトラ(ロケレン)・・・354.74(62.3)
レナト(広州恒大)・・・145.38(47.2)

 

ドゥトラレナトの両外国人選手が退団してしまった。

その代わりとして、3連覇に貢献し、2012年も神戸でレギュラーとして活躍していた野沢が帰ってきた。

ドゥトラの退団は痛いが、能力値でいえば、野沢の方が勝っており、戦力的には野沢で補えるといったところか。

他にJ2でかなり高い能力値を記録していた中村充孝の加入といい、先に述べたDFと比べて、上手い戦力補強と言えよう

 

FW

IN
ダヴィ(ウムサラル<甲府>)・・・405.57(J2)

 

out
興梠慎三(浦和)・・・272.92(56.9)
岡本英也(新潟)・・・2.51(40.1)
佐々木竜太(未定)・・・1.44(35.7)

 

FWでも大きな入れ替えが。

まず3連覇に貢献した興梠が浦和に移籍してしまった。

とは言え、代わりに加入したのがダヴィ

2012年のJ2得点王にして、2008年もマルキーニョスに次いで得点ランキング2位。

札幌名古屋でJ1でも2年二桁得点を獲得しているバリバリの点取り屋である。

当時の状況を見るに、きっちりと興梠の抜けた穴を補いつつ、おつりが出る補強と言えよう。

 

総評

戦力の大きな上積みはないものの、セレーゾを招聘し、若手の伸びにかけるが、きちんと抜けた穴は補おうという意図が見れる2012年シーズンオフだが、新井場の穴が埋め切れてない印象がどうしても出てしまう。

2012年の穴であったDFを若手の成長にかけるのは理解できるが、明らかに手薄になってしまったサイドバックの穴がどう影響したのか。

次の記事ではその辺りを注意深く見ていきたい