鹿島FOS(仮)

鹿島を中心に戦術ではなく、データでサッカーを語ります

2013年優勝チーム/サンフレッチェ広島との比較

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2013年のJリーグ優勝チームは2012年に引き続きサンフレッチェ広島

勝点63:19勝9敗6分/得失点差22

一方の鹿島アントラーズ

勝点59:18勝11敗5分/得失点差

可能性は低かったものの、最終節の結果次第では優勝の可能性があった、2013年

優勝したサンフレッチェとの差はどこなのか?

各ポジションごとの選手数値から見ていきたい

(表示は名前/先発出場/CBP(Chance Building Point)/J偏差値の順)

 

kashimafos.hatenablog.com

 

GK

 

サンフレッチェ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
西川 周作 33 33 2970 33 82.16 2.49 58.7
増田 卓也 1 1 84 1 2.11 2.26 36.6
原 裕太郎 1 0 6 0 0.24 3.60 36.0

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
曽ヶ端 準 34 34 3060 34 91.7 2.70 61.4

 

フル出場した曽ヶ端に対して、1試合出れなかった西川

出れなかった1試合どういう立ち位置を果たしたかは想像するしかないが、

いずれにせよ、CBPでは、曽ヶ端の方に軍配が上がると思われる。

GKの場合、一概には言えない部分があるもののJ偏差値が

西川  : 64.4⇒58.7

曽ヶ端:59.6⇒61.4

という数値を見ると西川は2012年と比較すると若干パフォーマンスが落ち、逆に曽ヶ端のパフォーマンスが上がったと言える。

 

CB

 

サンフレッチェ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
塩谷 司 34 34 3049 34 566.98 16.74 63.3
水本 裕貴 34 34 3060 34 478.03 14.06 59.1
千葉 和彦 34 34 2992 34 353.08 10.62 53.1

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
青木 剛 34 34 3060 32 468.42 13.78 58.6
山村 和也 24 21 1903 21 342.88 16.22 52.6
岩政 大樹 18 14 1338 14 205.94 13.85 46.1
昌子 源 4 1 105 1 20.58 17.64 37.4

 

去年同様不動の3バックのサンフレッチェ

ただ、去年J偏差値67.1と大黒柱だった森脇が浦和に移籍したためいなくなっているが、その穴埋めをきっちりと塩谷が果たしている

また、水本、千葉も昨年同様のパフォーマンスを記録

一方のアントラーズ、昨年よりはバランスの良い2枚のCBを用意できたが、残念ながら、個々のレベルがサンフレッチェに劣っていると言えよう

 

サイド

 

サンフレッチェ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
石川 大徳 3 2 171 5 94.4 49.68 41.9

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
西 大伍 29 26 2380 26 385.68 14.58 57.8
中田 浩二 25 21 1866 21 252.95 12.20 50.6
前野 貴徳 20 13 1233 13 219 15.99 48.7
伊東 幸敏 6 6 467 6 62.25 12.00 40.1

 

サンフレッチェ石川はあくまでもポジショニングの問題で本職とは言えないので参考数値。

一方のアントラーズ。西のパフォーマンスはともかく、中田浩二、前野のパフォーマンスが低く、本来アントラーズのストロングポイントと言えるサイドバックがさすがにこれでは優勝は難しいと言えよう

 

3枚目

 

サンフレッチェ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
青山 敏弘 33 33 2962 33 652.45 19.82 69.2
森崎 和幸 33 33 2970 33 534.24 16.19 63.6
ミキッチ 29 27 2256 27 307.59 12.27 52.7
ファン ソッコ 26 11 993 7 128.5 11.65 44.1
山岸 智 26 14 1206 13 120.41 8.99 43.7
清水 航平 19 9 866 9 114.42 11.89 43.5
パク ヒョンジン 17 5 621 5 76.33 11.06 41.6
岡本 知剛 6 2 184 2 14.7 7.19 38.7

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
小笠原 満男 33 33 2933 33 578.17 17.74 65.7
柴崎 岳 34 34 2972 34 522.36 15.82 63.0
梅鉢 貴秀 10 1 176 1 41.31 21.12 40.0

 

小笠原・柴崎のコンビも優秀だが、それ以上に優秀なサンフレッチェの3列目

昨年同様青山の数字が抜きんでているが、森崎もかなり高いパフォーマンスを記録

CB&3枚目のCBPで非常に高く、堅守を見事に実践したチーム構成で、納得の連覇と言えよう

 

2枚目

 

サンフレッチェ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
高萩 洋次郎 31 31 2744 34 392.09 12.86 64.1
石原 直樹 33 32 2843 32 391.15 12.38 64.1
森崎 浩司 6 4 362 4 39.42 9.80 39.8
川辺 駿 3 1 104 1 12.12 10.49 37.9

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
ジュニーニョ 30 25 2121 25 321.01 13.62 59.2
遠藤 康 28 20 1657 20 285.47 15.51 56.8
野沢 拓也 23 18 1553 13 189.64 10.99 50.2
本山 雅志 24 5 663 2 105.31 14.30 44.3
土居 聖真 15 12 853 12 98.29 10.37 43.9
中村 充孝 16 5 527 5 74.05 12.65 42.2

 

サンフレッチェは石原の成長が目を引く

鹿島は遠藤が2012年並みのパフォーマンスを残せず、ジュニーニョドゥトラよりも秀でたパフォーマンスとはいえず、ここでも残念ながら大きな差が出てしまった。

 

TOP

 

サンフレッチェ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
佐藤 寿人 34 34 2905 34 275.54 8.54 57.4

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
大迫 勇也 33 31 2756 30 410.89 13.42 68.4
ダヴィ 26 20 1858 20 171.66 8.32 48.9

 

唯一と言っていいが、明らかにアントラーズが勝っている位置がTOPだ。

この年の大迫の数値はJリーグの歴代の優勝チームでもトップクラスの数字

ただ、2列目の弱体化が優勝争いをしながら勝ちきれなかった要因ともいえよう。

またアントラーズは2TOPだが、相棒のダヴィのK偏差値が50以下では厳しい

 

先発なし

 

サンフレッチェ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
野津田 岳人 20 0 235 0 66.64 25.52 82.3
井波 靖奈 4 0 58 0 14.65 22.73 51.5
中島 浩司 2 0 8 0 3.93 44.21 45.1
浅野 拓磨 1 0 8 0 1.72 19.35 43.8

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
赤崎 秀平 1 0 32 0 2.22 6.24 44.1

 

野津田が限られた時間で的確な仕事をしてると言えよう

 

途中移籍

 

サンフレッチェ

なし

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
本田 拓也 7 0 71 0 11.77 14.92 44.2

 

特筆すべき点はなし

 

総論

 

上記を踏まえ、各ポジションから上位者を抜粋したメンバーを組んでみると

こういう形になる。

サンフレッチェ       アントラーズ    
GK 西川 周作 82.16 58.7   GK 曽ヶ端 準 91.7 61.4
CB 塩谷 司 566.98 63.3   CB 青木 剛 468.42 58.6
CB 水本 裕貴 478.03 59.1   CB 山村 和也 342.88 52.6
CB 千葉 和彦 353.08 53.1   サイド 西 大伍 385.68 57.8
3列目 青山 敏弘 652.45 69.2   サイド 中田 浩二 252.95 50.6
3列目 森崎 和幸 534.24 63.6   3列目 小笠原 満男 578.17 65.7
3列目 ミキッチ 307.59 52.7   3列目 柴崎 岳 522.36 63
3列目 ファン ソッコ 128.5 44.1   2列目 ジュニーニョ 321.01 59.2
2列目 高萩 洋次郎 392.09 64.1   2列目 遠藤 康 285.47 56.8
2列目 石原 直樹 391.15 64.1   TOP 大迫 勇也 410.89 68.4
TOP 佐藤 寿人 275.54 57.4   TOP ダヴィ 171.66 48.9
  合計 4161.8       合計 3831.2  

 

前年度同じサンフレッチェとのCBPの差は、192.5ポイントだったのが、330.6ポイントまで広がってしまった2013年。

2012年より順位を上げ、優勝争いをしたとはいえ、大迫以外明らかにサンフレッチェに劣っていたのが、カップ戦のタイトルも取れなかったと言える。

数値的に113.6ポイント落としたが順位を上げたのは、それほど高くないレベルで安定した能力を発揮できたが、爆発力がなかったと数値上では見える。

また、課題の守備だが、サンフレッチェとの差は歴然で、優勝をするチームとしての守備に引き続き課題を残したシーズンと言えよう

 

SSクラス(偏差値65以上)

サンフレッチェ・・・1人(青山:69.2)

アントラーズ・・・2人(大迫:68.4/小笠原:65.7)

 

Sクラス(偏差値60以上)

サンフレッチェ・・・4人(高萩:64.1/石原:64.1/森崎 和幸:63.6/塩谷:63.3

アントラーズ・・・2人(柴崎:63/曽ヶ端:61.4/)

 

2012年が

SSクラス(偏差値65以上)

サンフレッチェ・・・2人

アントラーズ・・・0人

Sクラス(偏差値60以上)

サンフレッチェ・・・3人

アントラーズ・・・6人

 

であったのに対し、2013年はSS~Sクラスで

サンフレッチェ:5人

アントラーズ:4人

と高パフォーマンス選手をアントラーズは1人減らしたが、

それでもSSクラスを2名用いており、やはり、個々の能力が高いが戦術面で優勝を逃したと言えよう