鹿島FOS(仮)

鹿島を中心に戦術ではなく、データでサッカーを語ります

2017年優勝チーム/川崎フロンターレとの比較

f:id:kashimafos:20220225113749p:plain

2017年の優勝は川崎フロンターレ

 

勝点72:21勝4敗9分/得失点差39

 

一方のアントラーズ

 

勝点72:23勝8敗4分/得失点差22

 

勝利数こそフロンターレよりも2勝多いが、負け数が多く、誤審等色々あったのも事実だが、結果的に勝ち点は同じながら、得失点差で2位となってしまった。

また、この年以降残念ながら、フロンターレアントラーズの立ち位置が逆転したと言わざるを得ない

そんな2017年、フロンターレと戦力の比較をしてみる

 

kashimafos.hatenablog.com

GK

 

フロンターレ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
チョン ソンリョン 33 33 2895 33 61.7 1.92 53.1
新井 章太 3 1 165 1 6.81 3.71 37.9

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
曽ヶ端 準 22 22 2021 22 52.69 2.35 50.6
クォン スンテ 12 12 1039 12 25.25 2.19 43.0

 

共に、フル出場ではなかったGKCBPだけ見てみるとチョンソンリョンが一番高いが、曽ヶ端22試合に対して、チョンソンリョンは33試合で、1試合出なかっただけ。

それでいて、偏差値が3も変わらないというのは、チョンソンリョンのCBPは実際にJ偏差値も高くないことから、優勝チームの正GKとしては低調と言えるであろう

 

DF

 

フロンターレ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
谷口 彰悟 34 34 3060 31 533.68 15.70 61.7
奈良 竜樹 27 22 2025 22 343.12 15.25 52.7
エドゥアルド 14 12 1089 12 180.63 14.93 44.9

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
昌子 源 34 34 3060 34 592.69 17.43 64.5
植田 直通 29 29 2610 29 446.6 15.40 57.6
町田 浩樹 2 2 126 2 27.03 19.31 37.7

 

フロンターレは谷口が、アントラーズは昌子がそれぞれ柱で、全試合フル出場だが、

これは昌子に軍配が上がる。

J偏差値64.5と過去の優勝したCBとしてもトップクラスのこの年の昌子

一方それぞれの相方は、フロンターレは奈良、アントラーズは植田

出場時間の違いもあるが、90分換算含め、植田の方が勝っており、CBに関してはアントラーズが1枚上手と言っていいであろう

 

サイド

 

フロンターレ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
車屋 紳太郎 34 34 3041 28 452.49 13.39 61.5
エウシーニョ 21 21 1864 20 396.81 19.16 58.4
田坂 祐介 18 8 735 7 133.32 16.32 44.0
武岡 優斗 3 2 183 2 30.6 15.05 38.4

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
西 大伍 30 28 2468 25 444.39 16.21 61.0
山本 脩斗 32 30 2666 30 436.67 14.74 60.6
伊東 幸敏 24 9 1036 9 147.2 12.79 44.8
三竿 雄斗 2 1 124 1 27.88 20.24 38.3

 

ここもアントラーズの方が1枚上手である。

フロンターレ車屋をベースにエウシーニョと田坂を使い分けている

一方のアントラーズは西と山本のコンビで徹底している。

車屋、西、山本の三人のJ偏差値は0.9差の中に3人いる事からも分かるように全くの互角

フロンターレエウシーニョのJ偏差値は出場時間に対して優秀で、90分換算は上記3名よりもいいが、怪我で出遅れたのが痛かった

 

3列目

 

フロンターレ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
エドゥアルド ネット 31 30 2530 30 519.67 18.49 62.9
大島 僚太 25 25 2117 25 445.42 18.94 59.3
ハイネル 14 5 648 3 121.94 16.94 43.8
森谷 賢太郎 18 7 765 7 121.38 14.28 43.8

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
三竿 健斗 26 22 1994 19 479.64 21.65 60.9
レオ シルバ 27 23 2110 23 434.87 18.55 58.8
永木 亮太 20 10 967 10 260.12 24.21 50.4
小笠原 満男 17 16 1327 16 246.45 16.71 49.8

 

3列目は1stチョイスはフロンターレだが、総合力では、アントラーズと言ったところか

エドゥアルド ネットが頭抜けた数字を記録しているが、三竿も負けていない

大島とレオシルバも同様だが、残念ながら両比較ともフロンターレコンビの方が若干上回っている

だが、3番手4番手になると、アントラーズは永木に小笠原と出場時間がもっとあればと言った数値の選手が二人もいるのに対して、フロンターレは急減期に弱くなってしまう

 

2列目

 

フロンターレ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
中村 憲剛 32 31 2654 27 407.65 13.82 65.2
家長 昭博 21 15 1289 11 230.12 16.07 53.0
登里 享平 23 16 1478 9 190.32 11.59 50.2
長谷川 竜也 24 10 952 7 149.66 14.15 47.4
三好 康児 13 6 455 5 65.3 12.92 41.6
大塚 翔平 3 3 169 3 30.48 16.23 39.2

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
レアンドロ 23 21 1837 15 315.78 15.47 58.9
遠藤 康 22 19 1502 19 218.15 13.07 52.1
中村 充孝 20 18 1312 9 173.17 11.88 49.0

 

ここで一つ大きな差が出てしまった

中村 憲剛の存在だ

流石にずば抜けた存在感を見せている

また、怪我で出遅れた家長も大きな存在となっている

一方のアントラーズは、土居の使われ方等もあるが、2列目ベースでいえば、レアンドロも遠藤も出場時間だけでなく、能力的にもう少し頑張ってほしかった

 

TOP

 

フロンターレ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
小林 悠 34 33 2951 20 390.07 11.90 66.7
阿部 浩之 28 26 2252 13 326.37 13.04 61.5

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
土居 聖真 33 27 2380 17 290.48 10.98 58.6
金崎 夢生 30 25 2368 25 230.52 8.76 53.7
ペドロ ジュニオール 21 16 1310 16 176.26 12.11 49.3
鈴木 優磨 26 6 866 6 144.9 15.06 46.7
安部 裕葵 13 1 272 1 48.21 15.95 38.8
金森 健志 5 3 209 3 14.35 6.18 36.1

 

優勝出来なかった理由は得失点差

その原因がTOPではっきりしている

小林はもちろん、阿部もTOP以外ポジション先発もあるものの、この二人のJ偏差値は60以上と、歴代の優勝チームの中でも抜けた2TOP

一方のアントラーズは土居が柱だが、2列目起用も多く、TOPで1番先発出場している金崎の数値が酷く、残念ながらペドロジュニオールも期待外れに終わり、TOPが点を取らないから優勝出来なかったという、残念ながら明確な戦犯と言えよう

 

先発なし

 

フロンターレ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
森本 貴幸 11 0 155 0 34.71 20.15 63.4
板倉 滉 5 0 72 0 27.03 33.79 58.8
知念 慶 4 0 58 0 7.9 12.26 47.5
狩野 健太 2 0 10 0 0.88 7.92 43.3

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
ブエノ 2 0 56 0 13.47 21.65 50.8

 

出場時間が非常に少ないが森本が最低限の仕事をやっているのと、板倉が片りんを見せている

 

総論

上記を踏まえ、各ポジションから上位者を抜粋したメンバーを組んでみると

こういう形になる。

 

フロンターレ       アントラーズ    
GK チョン ソンリョン 61.7 53.1   GK 曽ヶ端 準 52.69 50.6
CB 谷口 彰悟 533.68 61.7   CB 昌子 源 592.69 64.5
CB 奈良 竜樹 343.12 52.7   CB 植田 直通 446.6 57.6
サイド 車屋 紳太郎 452.49 61.5   サイド 西 大伍 444.39 61
サイド エウシーニョ 396.81 58.4   サイド 山本 脩斗 436.67 60.6
3列目 エドゥアルド ネット 519.67 62.9   3列目 三竿 健斗 479.64 60.9
3列目 大島 僚太 445.42 59.3   3列目 レオ シルバ 434.87 58.8
3列目 中村 憲剛 407.65 65.2   2列目 レアンドロ 315.78 58.9
2列目 家長 昭博 230.12 53   2列目 遠藤 康 218.15 52.1
TOP 小林 悠 390.07 66.7   TOP 土居 聖真 290.48 58.6
TOP 阿部 浩之 326.37 61.5   TOP 金崎 夢生 230.52 53.7
  合計 4107.1       合計 3942.5  

 

勝点は同じものの、レギュラークラスを並べて、CBPを合算した時164.6も差がつく理由は2TOPが原因である

もちろん、2列目も正直弱かったが、残念ながら頼れるTOPの不在が得点力不足⇒得失点差で優勝を逃す要因と言えよう

シーズンオフの補強で、ペドロジュニオールを獲得したが、残念ながら期待外れに終ってしまった事と、金崎のパフォーマンスの低下が挙げられるであろう

むしろ、よくこの攻撃陣でほぼ優勝というところまで行けたとも言えるほどであり、2018年に向けての明確な補強ポイントだ