鹿島FOS(仮)

鹿島を中心に戦術ではなく、データでサッカーを語ります

2019年優勝チーム/横浜F・マリノスとの比較

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2019年の優勝は横浜F・マリノス

2004年以来15年ぶりの優勝

 

勝点70:22勝8敗4分/得失点差30

 

一方のアントラーズ

 

勝点63:16勝7敗9分/得失点差24

 

ACLカップ戦で過密日程だったアントラーズに対して、

カップ戦を早々敗退し、リーグ戦1本に絞ることが出来たF・マリノス

 

ここの働きはどうだったのか?

F・マリノスとの戦力を比較してみる

 

kashimafos.hatenablog.com

 

GK

 

F・マリノス

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
朴 一圭 25 25 2227 25 74.9 3.03 56.7
杉本 大地 4 4 360 4 10.99 2.75 39.0

 

アントラーズ

 

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
クォン スンテ 30 30 2700 30 57.64 1.92 51.9
曽ヶ端 準 4 4 360 4 8.79 2.20 38.4

 

CBP的にはクォン スンテよりも朴 一圭の方に軍配が上がる

クォン スンテのCBPはその絶対的安定感に比べて低いのは、GKでも攻撃的な朴 一圭と比較してみると、攻撃的貢献度が低いのであろう

 

CB

 

F・マリノス

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
畠中 槙之輔 34 34 3060 34 512.65 15.08 60.7
アゴ マルチンス 33 33 2883 33 482.07 15.05 59.2
伊藤 槙人 3 1 127 1 28.32 20.07 37.7

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
犬飼 智也 29 29 2610 29 370.83 12.79 54.0
町田 浩樹 22 21 1899 15 290.23 13.75 50.1
チョン スンヒョン 13 12 1089 12 168.07 13.89 44.4
ブエノ 17 12 1102 12 156.55 12.79 43.8

 

やはりというか、優勝チームには優秀なCBがいる

逆に、アントラーズは過密日程によるローテーションでの起用としても、誰一人90分換算で畠中、チアゴマルチネスに勝てていない

 

サイド

 

F・マリノス

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
ティーラトン 25 25 2219 25 413.32 16.76 59.3
広瀬 陸斗 20 19 1727 15 327.29 17.06 54.6
松原 健 14 13 1139 13 184.73 14.60 46.8
和田 拓也 10 9 854 6 147.37 15.53 44.8
高野 遼 5 3 297 3 45.38 13.75 39.2

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
小池 裕太 14 13 1134 13 124.51 9.88 43.5
内田 篤人 10 9 655 9 87.09 11.97 41.5
小泉 慶 7 6 541 4 79.17 13.17 41.1
山本 脩斗 6 3 354 2 44.78 11.38 39.2
小田 逸稀 2 2 107 2 15.63 13.15 37.6
伊東 幸敏 2 2 160 2 10.14 5.70 37.3

 

こちらもCB同様、F・マリノスに完敗である

そこまでF・マリノスのサイドコンビが優れているとはいいがたい部分があるが、アントラーズの2019年のサイドはそれを差し引いても酷い数値である

 

3列目

 

F・マリノス

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
喜田 拓也 33 33 2965 33 460.57 13.98 60.0
扇原 貴宏 25 18 1535 18 304.41 17.85 52.6
天野 純 18 15 1366 14 202.24 13.32 47.7
三好 康児 19 10 1035 9 183.74 15.98 46.8
渡辺 皓太 9 2 258 2 44.36 15.47 40.1
山田 康太 1 1 64 1 9.73 13.68 38.4

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
レオ シルバ 27 23 2098 23 440.3 18.89 59.1
永木 亮太 31 26 2424 13 423.09 15.71 58.2
三竿 健斗 28 20 1936 20 413.79 19.24 57.8
名古 新太郎 15 10 925 9 136.92 13.32 44.5

 

3列目はアントラーズに軍配が上がると言っていいであろう

喜田 拓也が出場時間含め若干高くなっているが、CBP、90分換算共にアントラーズの三竿を含めた3人が勝っていると言っていいであろう

 

2列目

 

F・マリノス

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
仲川 輝人 33 33 2796 29 432.84 13.93 66.9
マルコス ジュニオール 33 33 2674 21 348.45 11.73 61.1
遠藤 渓太 33 18 1913 17 230.17 10.83 53.0
マテウス 11 10 730 10 173.28 21.36 49.0

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
白崎 凌兵 25 24 1985 23 268.32 12.17 55.6
レアンドロ 22 17 1355 16 200.71 13.33 50.9
遠藤 康 12 5 469 4 76.91 14.76 42.4
中村 充孝 5 2 175 1 18.45 9.49 38.3
山口 一真 7 1 127 1 13.64 9.67 38.0

 

ディフェンス陣よりひどくはないが、ここでも大きな差を付けられてしまっている

仲川 輝人、マルコス ジュニオールF・マリノス2列目陣が素晴らしいのである

一方のアントラーズ白崎が及第点と言ってもいいが、その次に来る選手がいない

90分換算で見た場合、レアンドロの出場時間がもっと多ければと悔やまれる

 

TOP

 

F・マリノス

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
エジガル ジュニオ 16 15 1188 15 167.71 12.71 48.6
エリキ 12 12 1070 8 147.16 12.38 46.9
大津 祐樹 23 3 455 2 75.78 14.99 41.1

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
セルジーニョ 33 26 2376 16 314.73 11.92 60.6
土居 聖真 32 31 2715 27 268.27 8.89 56.8
伊藤 翔 26 21 1826 21 156.84 7.73 47.7
上田 綺世 13 3 399 3 36.92 8.33

37.9

 

一方でびっくりするのがTOPの選手である

マリノスの数値が低すぎる

これは戦術的な問題もあるだろうが絶対的なTOPを決められなかったことも要因であろう

一方のアントラーズセルジーニョは歴代の優勝チームのTOPにも勝らずも劣らずと言ったところ

 

先発なし

 

F・マリノス

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
李 忠成 10 0 122 0 13.45 9.92 50.8
中川 風希 3 0 5 0 3.92 70.56 45.1
山谷 侑士 3 0 24 0 3.65 13.69 45.0
中林 洋次 1 0 23 0 3.64 14.24 45.0
ドゥシャン 1 0 11 0 0.15 1.23 42.9

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
相馬 勇紀 5 0 68 0 16.21 21.45 52.4

 

F・マリノスは李 忠成、アントラーズは相馬 勇紀を要所要所で使用

 

途中移籍

 

F・マリノス

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
飯倉 大樹 5 5 450 5 13.54 2.71 44.5

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
安西 幸輝 15 15 1350 14 241.24 16.08 84.1
安部 裕葵 14 6 645 4 94.14 13.14 58.5
金森 健志 7 0 23 0 12.03 47.07 44.3
平戸 太貴 1 1 53 0 5.86 9.95 43.2

 

この安西と安部の途中移籍がなければどのような結果になったかは神のみぞ知るところだが、やはり1年通じて大きな選手の入れ替えがないチームが強いと言ったところであろう

 

総論

上記を踏まえ、各ポジションから上位者を抜粋したメンバーを組んでみると

こういう形になる。

 

F・マリノス       アントラーズ    
GK 朴 一圭 74.9 56.7   GK クォン スンテ 57.64 51.9
CB 畠中 槙之輔 512.65 60.7   CB 犬飼 智也 370.83 54
CB アゴ マルチンス 482.07 59.2   CB 町田 浩樹 290.23 50.1
サイド ティーラトン 413.32 59.3   サイド 小池 裕太 124.51 43.5
サイド 広瀬 陸斗 327.29 54.6   サイド 内田 篤人 87.09 41.5
3列目 喜田 拓也 460.57 60   3列目 レオ シルバ 440.3 59.1
3列目 扇原 貴宏 304.41 52.6   3列目 永木 亮太 423.09 58.2
2列目 仲川 輝人 432.84 66.9   2列目 白崎 凌兵 268.32 55.6
2列目 マルコス ジュニオール 348.45 61.1   2列目 レアンドロ 200.71 50.9
2列目 遠藤 渓太 230.17 53   TOP セルジーニョ 314.73 60.6
TOP エジガル ジュニオ 167.71 48.6   TOP 土居 聖真 268.27 56.8
  合計 3754.4       合計 2845.7  

 

2018年、1620.5ポイントだった優勝チームとの差は908.7ポイント迄縮まったとはいえ、数値的にはふがいないシーズンだったと言えよう

とはいえ、このチームでリーグ戦は途中までは首位を走り、カップ戦も勝ち進んでいったように、見ていて楽しいサッカーかどうかの議論は置いておいて、大岩監督のマネージメント能力の高さを感じさせる

ポイント的に高いチームでなく、主力はシーズン途中で移籍、にもかかわらず全てのレギュレーションで優勝争いをした2019年を率いた大岩監督

結果的にタイトルを取れなかったが、一時は4冠も夢ではないと言った状況だった、マネージメント力は高く評価したい

残念ながらこの年を以て、大岩監督とはお別れになるのであるが、1~2年、主力の途中移籍等ない状態での指揮を見てみたい監督でもある

面白いか否かは別であるが。。。