鹿島FOS(仮)

鹿島を中心に戦術ではなく、データでサッカーを語ります

2020年優勝チーム/川崎フロンターレとの比較

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2020年の優勝は川崎フロンターレ

最高勝ち点での圧倒的強さでの優勝

 

勝点83:26勝3敗8分/得失点差57

 

一方のアントラーズ

 

勝点59:18勝11敗5分/得失点差11

 

勝点差24という大差をつけられる。

コロナによる変則日程及び、交代人数の3人⇒5人へ変更等色々レギュレーションが変わったとはいえ、ここまで大差をつけられてしまった要因をCBPを基に比較していく

 

kashimafos.hatenablog.com

GK

フロンターレ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
チョン ソンリョン 34 34 3060 34 51.1 1.50 50.1

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
沖 悠哉 24 24 2160 24 55.74 2.32 51.4
クォン スンテ 7 7 630 7 13.27 1.90 39.6
山田 大樹 2 2 180 2 3.24 1.62 36.9
曽ヶ端 準 1 1 90 1 1.62 1.62 36.4

 

出場試合数が少ないにも関わらず、CBPが沖の方が高かったGK

要因としては、

・沖は優れたGK

フロンターレが圧倒的に強くチョンソンリョンがプレーに関与するケースが少なかった

の2点が考えられるが、恐らく後者と思われる。

 

CB

フロンターレ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
谷口 彰悟 30 28 2468 28 398.43 14.53 55.3
ジェジエウ 29 29 2412 29 377.31 14.08 54.3
山村 和也 13 6 580 6 115.06 17.85 41.8

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
犬飼 智也 31 31 2790 31 490.57 15.82 59.7
町田 浩樹 21 20 1811 20 270.83 13.46 49.2
関川 郁万 15 13 1168 13 212.98 16.41 46.5
奈良 竜樹 6 4 357 4 65.56 16.53 39.5

 

谷口とジェジエウの二人で固定出来たフロンターレと、犬飼のパートナーに迷いを感じらるアントラーズ

ただ、フロンターレの両CBのCBPは正直歴代の優勝チームとしては高くなく、こちらもGK同様強すぎた故、守備を含むCBのプレー関与が少なかったかと想像出来てしまう程強かった2020年のフロンターレである。

 

サイド

フロンターレ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
山根 視来 31 31 2738 31 588.21 19.33 68.9
登里 享平 29 25 2290 25 404.48 15.90 58.8
車屋 紳太郎 22 13 1217 8 216.9 16.04 48.6
ジオゴ マテウス 3 3 270 3 57.2 19.07 39.9

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
永戸 勝也 22 22 1942 22 291.22 13.50 52.6
小泉 慶 22 21 1700 21 271.89 14.39 51.6
広瀬 陸斗 15 10 890 10 157.47 15.92 45.3
杉岡 大暉 7 6 537 6 101.54 17.02 42.3
山本 脩斗 7 7 602 6 76.86 11.49 40.9
内田 篤人 2 1 134 1 19.75 13.26 37.8

 

大きく差がついたのがサイドバック

フロンターレは山根、登里がうまく機能していると言えよう。

特に山根が素晴らしい。

一方のアントラーズは使われ方の問題もあるが、歴代の優勝チームとの比較である、J偏差値でも物足りなく、アントラーズの代名詞であるサイドバックの低迷=チームの低迷と言わざるを得ない

 

3列目

フロンターレ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
守田 英正 32 23 2226 23 623.35 25.20 67.8
田中 碧 31 23 2184 23 539.94 22.25 63.8
大島 僚太 23 15 1483 15 297.83 18.07 52.2
脇坂 泰斗 31 25 1634 25 292.96 16.14 52.0
中村 憲剛 13 7 548 7 102.22 16.79 42.9
下田 北斗 14 5 431 5 85.66 17.89 42.1

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
三竿 健斗 30 28 2445 28 568.12 20.91 65.2
レオ シルバ 32 29 2374 29 503.14 19.07 62.1
永木 亮太 31 12 1211 11 252.25 18.75 50.1

 

守田と田中碧のボランチコンビが素晴らしいが、鹿島も負けてはいない

ほぼほぼ互角と言っていいであろう

アントラーズボランチ能力の高さ(主に小笠原・柴崎)は2020年も負けてはいなかったと言えるであろう

 

2列目

フロンターレ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
家長 昭博 29 25 2122 24 342.89 14.54 60.7
旗手 怜央 31 14 1480 6 318.95 19.40 59.1
齋藤 学 25 11 890 8 127.68 12.91 45.9
宮代 大聖 16 2 298 2 55.74 16.83 40.9

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
ファン アラーノ 30 26 2014 20 394.01 17.61 64.3
和泉 竜司 27 20 1629 20 200.36 11.07 50.9
荒木 遼太郎 26 7 894 4 148.76 14.98 47.3

 

数字だけの能力で見るとアラーノがいるのでフロンターレには負けてはいない

ただ、そのパートナーの差で負けてしまっていると言ったところか

家長には旗手がいたが、アラーノには旗手がいなかったのが響いたと言えよう

 

TOP

フロンターレ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
レアンドロ ダミアン 34 22 1785 22 279.48 14.09 57.7
小林 悠 27 13 1316 12 176.76 12.09 49.3

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
土居 聖真 31 26 2110 15 328.52 14.01 61.7
エヴェラウド 33 32 2647 26 320.93 10.91 61.1
上田 綺世 26 10 1154 10 167.56 13.07 48.6
遠藤 康 27 5 849 5 129.26 13.70 45.4

 

TOPに関しては完全にアントラーズと言っていいであろう

2列目との併用もあるが、土居の安定感にパートナーのエヴェラウドの高水準でのプレー

両名ともレアンドロダミアンよりもTOPとして優れた数値を残している

一方で上田 綺世も小林悠よりもCBPでも90分換算でも勝っており、完全にアントラーズに軍配を上げてもいいであろう

 

先発なし

フロンターレ

なし

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 J偏差値
松村 優太 13 0 140 0 27.94 17.96 59.4
常本 佳吾 1 0 11 0 7.25 59.32 47.1

 

松村がルーキーながら健闘しているのが分かる

 

総論

上記を踏まえ、各ポジションから上位者を抜粋したメンバーを組んでみると

こういう形になる。

 

フロンターレ       アントラーズ    
GK チョン ソンリョン 51.1 50.1   GK 沖 悠哉 55.74 51.4
CB 谷口 彰悟 398.43 55.3   CB 犬飼 智也 490.57 59.7
CB ジェジエウ 377.31 54.3   CB 町田 浩樹 270.83 49.2
サイド 山根 視来 588.21 68.9   サイド 永戸 勝也 291.22 52.6
サイド 登里 享平 404.48 58.8   サイド 小泉 慶 271.89 51.6
3列目 守田 英正 623.35 67.8   3列目 三竿 健斗 568.12 65.2
3列目 田中 碧 539.94 63.8   3列目 レオ シルバ 503.14 62.1
3列目 大島 僚太 297.83 52.2   2列目 ファン アラーノ 394.01 64.3
2列目 家長 昭博 342.89 60.7   2列目 和泉 竜司 200.36 50.9
2列目 旗手 怜央 318.95 59.1   TOP 土居 聖真 328.52 61.7
TOP レアンドロ ダミアン 279.48 57.7   TOP エヴェラウド 320.93 61.1
  合計 4222       合計 3695.3  

 

レギュラークラスを並べたCBPで作られた差が526.7

その中で、サイドでつけられたCBPの差が429.58

つまり勝点差24はサイドバックの差と言っていいであろう

もちろん、CBPだけでは一概には言えない部分もあるが、各連携等考慮されて出た数値であるので、各選手を並べてみると違いがはっきり出ていると言っていいであろう

2019年シーズンオフにサイドを強化したが、残念ながら結果が出なかったと言えよう

逆に、フロンターレアントラーズ出身の鬼木監督が指揮を執り、優秀なサイドバック、盤石な3列目と言った、本来であれば、アントラーズの十八番と言っていいチームを作り上げたという、悔しさが生じる2020年と言えよう