2021年途中交代策の考察
ここでは、2021年のアントラーズの交代選手に関して考察していく。
2020年より交代枠が5人に増えた事という、試合中にチームの半分を入れ替える事も可能になったことにより、以前の3人枠よりも交代の扱いが大きく変わり、気安く交代出来るようになった
手探り状態であった2020年から、慣れた事による気づきも感じられる2021年のアントラーズの交代策を見返してみる
全試合
2021年全試合を通して、途中出場した選手は24名
そのうち途中交代での出場時間上位5名は以下の通り。
選手名 | 出場時間 | CBP | 90分換算 | 勝 | 負 | 分 |
松村 優太 | 331 | 51.02 | 13.87 | 8 | 6 | 2 |
遠藤 康 | 323 | 50.64 | 14.11 | 10 | 7 | 4 |
和泉 竜司 | 257 | 34.29 | 12.01 | 8 | 1 | 2 |
上田 綺世 | 222 | 24.32 | 9.86 | 6 | 3 | 1 |
荒木 遼太郎 | 220 | 37.93 | 15.52 | 6 | 1 | 2 |
勝負分はその出場試合の結果どうなったか
結果として2021年一番途中交代で出場時間が長かったのは松村
という結果となった
2位は遠藤と、若手とベテランでワンツーを決めた。
3位は和泉。
松村と遠藤は勝ち試合も負け試合も分け隔てなく出場しているが、和泉は勝ち試合が中心
4位と5位は上田・荒木の若手二人
ここで意外なのが、上田の90分換算のCBPが低い事だ。
CBPが低い=チャンスに絡めていないので、上田が途中出場しても、過度の期待は禁物と言えよう
逆に荒木は90分換算のCBPが上位5選手の中で一番高いので、途中交代で出て来た時は期待してもいいであろう。
スタメンと違い、途中交代の場合、その場その場で求められることが違ってくるので、少し掘り下げてみよう
リード時
リードしている時点での途中出場に限定してみると、22選手となり、
その上位5選手は以下の通り
選手名 | 出場時間 | CBP | 90分換算 | 勝 | 負 | 分 |
和泉 竜司 | 138 | 24.14 | 15.74 | 6 | ||
土居 聖真 | 122 | 26.77 | 19.75 | 4 | 1 | |
松村 優太 | 121 | 22.76 | 16.93 | 6 | ||
レオ シルバ | 101 | 30.16 | 26.88 | 6 | ||
エヴェラウド | 97 | 9.86 | 9.15 | 7 |
やはり全体と同様和泉が重宝されている
そして、全体ではベスト5に入らなかった土居が2位にランクイン(全体では6位)
以下、松村・レオシルバ・エヴェラウドと続くが、ボールを持てる選手が多様されているのが分かる。
特にレオシルバ・土居のCBPが素晴らしく、レオシルバは残念ながら移籍してしまったが、クロージングの際、土居がいるのは心強いと言えよう
そんな土居だが、出場時はリードしていたのに逆転負けを食らってしまった2021年唯一の選手でもある。
ただ、その試合でも90分換算のCBPは20.99と自身のシーズン通してのCBPよりも高い数値を記録している(シーズン通しての90分換算CBPは11.51)
※9月22日フロンターレ戦
ドロー時
では、ゲームが膠着状態、ドローで進行している際に途中出場した選手はどうだろうか?
全部で18選手いるが、上位5選手は以下の通り
選手名 | 出場時間 | CBP | 90分換算 | 勝 | 負 | 分 |
荒木 遼太郎 | 127 | 27.22 | 19.29 | 2 | 1 | 2 |
遠藤 康 | 124 | 19.17 | 13.91 | 3 | 2 | 3 |
上田 綺世 | 120 | 8.4 | 6.30 | 1 | 2 | 1 |
松村 優太 | 120 | 14.88 | 11.16 | 2 | 3 | 1 |
和泉 竜司 | 89 | 8.86 | 8.96 | 2 | 2 |
一位は荒木。
90分換算のCBPでも他を圧倒しており、頼れる男である
以下、遠藤・上田・松村が同じような時間使われているが、目立つのが上田のCBPの低さである
同点の状態であるので、点を取らないと勝てない
だから点取り屋としてベンチに控えていた上田を起用しているはずなのだが、CBPを見る限りゲームに入れていないと言えるのではないか?
これは上田が90分を通してプレーをする選手なので、短時間では結果を出せないのかと言えば、そうとは言えず、シーズンを通してみても、残念ながら9.34と高くなく、別の数字、そう、得点力で見返して欲しい。
また、面白いのが5位に和泉である
リードしているときのCBPが15.74なのに対して、同点のタイミングで投入された場合、8.96と半減しているのである。
和泉は攻撃的な役割を担っているはずだが、点が欲しい時にゲームに入れないのは正直キツイので、2022年は奮起して欲しい
ビハインド時
最後にビハインド時の選手交代
使われた選手は17選手で、上位は以下の通り
選手名 | 出場時間 | CBP | 90分換算 | 勝 | 負 | 分 |
遠藤 康 | 107 | 10.39 | 8.74 | 5 | 1 | |
松村 優太 | 90 | 13.38 | 13.38 | 3 | 1 | |
白崎 凌兵 | 89 | 6.73 | 6.81 | 3 | 1 | |
アルトゥール カイキ | 58 | 8.26 | 12.82 | 2 | ||
小泉 慶 | 57 | 5.85 | 9.24 | 1 | 2 |
ここで一つ残念な結果があり、ビハインド時に選手交代をしても、逆転勝ちは0。
これはサンプル数の話もあるだろうが、サポーターの心情的に逆転勝ちに心を躍らせたいので、2022年は是非実現してもらいたい
(もちろん1分もリードを許さない全勝が望ましいが)
そんなビハインド時の選手起用であるが、遠藤・松村・白崎が多様されているが、中でもやはり松村に注目したい
同点時の項目で和泉のCBPの話をしたが、実は松村の状況別をCBPを見てみると
リード時:16.93
同点時:11.16
ビハインド時:13.38
全体:13.87
と、どんな時でも泥臭く汗をかいてくれる選手なのである。
松村が途中出場したら、何かしてくれるであろうという期待が、数字上湧き上がってくる選手なので、あとは結果を残して欲しい。
もちろん、スタメンでの松村の起用を多く見たいが、タイプ的にも3冠時の本山のようなジョーカーとしての役割に答えられると思うので、期待したい