鹿島FOS(仮)

鹿島を中心に戦術ではなく、データでサッカーを語ります

2016年優勝チーム/浦和レッズとの比較

 

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2016年のJリーグ優勝チームは鹿島アントラーズ

ただ、それはあくまでも2シーズン制の利点を生かし、チャンピオンシップの結果での優勝であり、勝ち点1位は浦和レッズであった

勝点74:23勝6敗5分/得失点差33

一方の鹿島アントラーズは1stステージ優勝したものの2ndステージに大失速し、

勝点59:18勝11敗5分/得失点差19

と実質の勝ち点では15差の第3位

そんな2016年、勝ち点1位の浦和レッズとの差はどこなのか?

各ポジションごとの選手数値から見ていきたい

 

kashimafos.hatenablog.com

GK

 

レッズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
西川 周作 34 34 3060 34 85.06 2.50 59.6

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
曽ヶ端 準 34 34 3060 34 85.73 2.52 59.7

 

レッズの西川もアントラーズの曽ヶ端も全試合ゴールマウスを守り、同じようなCBP

ここは互角と言っていいだろう

 

DF

 

レッズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
森脇 良太 33 33 2910 33 652.23 20.17 67.3
槙野 智章 29 29 2542 29 469.88 16.64 58.7
遠藤 航 27 25 2304 25 450.25 17.59 57.7
那須 大亮 14 12 1142 12 245.39 19.34 48.0
加賀 健一 1 1 71 1 13.23 16.77 37.0
永田 充 1 0 20 0 1.18 5.31 36.4

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
昌子 源 31 31 2779 31 619.95 20.08 65.8
植田 直通 21 20 1793 20 281.33 14.12 49.7
ファン ソッコ 12 11 1008 9 170.85 15.25 44.5
ブエノ 8 8 719 8 135.45 16.95 42.8

 

3バックのレッズに対して、2バックのアントラーズ

両チームとも大黒柱の森脇、昌子がディフェンスリーダーとして突出した数字を記録している一方、パートナーの槙野・遠藤といった安定したCBがいるレッズの方に軍配が上がると言えよう

那須に関しても、出番は少なかったが、12試合に出場し、90分換算で非常に優れたポイントを獲得している

一方アントラーズは成長途上とはいえ、植田が優勝チームのCBとしては物足りない数字

ファンソッコもレッズの那須と比較すると、どうしても落ちてしまっている

 

サイド

 

レッズ

該当者なし

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
山本 脩斗 31 31 2782 31 491.91 15.91 63.6
西 大伍 26 26 2302 24 443.39 17.33 61.0
伊東 幸敏 13 9 889 9 154.07 15.60 45.2

 

鹿島のストロングポイントである両サイドは歴代の優勝チームと比較しても優れたCBPを発揮

4バックと3バックで比較は難しいが、最終ラインという意味ではレッズとの差はトータル的にはないと思われる

 

3列目

 

レッズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
阿部 勇樹 34 34 3060 34 541.76 15.93 63.9
柏木 陽介 33 32 2712 32 481.61 15.98 61.0
関根 貴大 32 29 2465 20 397.68 14.52 57.0
宇賀神 友弥 26 26 2103 24 269.48 11.53 50.9
駒井 善成 23 11 1144 10 166.92 13.13 46.0
青木 拓矢 24 1 565 1 145.33 23.15 44.9
梅崎 司 19 6 695 4 108.12 14.00 43.2

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
柴崎 岳 31 30 2713 27 460.46 15.28 60.0
小笠原 満男 30 28 2300 28 414.23 16.21 57.8
永木 亮太 29 13 1438 13 356.75 22.33 55.1

 

阿部勇樹が頭一つ抜けている感があるが、ここも差はなくほぼ互角

柴崎のCBPはレッズに入れてもそん色がなく、また衰えが見えてきた小笠原も歴代優勝チーム換算だと、依然一定以上の能力を発揮し、90分換算でも高いポイント

また、目立つのは永木だ

先発出場が宇賀神の半分にも関わらず、K偏差値で5、宇賀神よりも高いCBPを記録しているのが目を引く

 

2列目

 

レッズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
武藤 雄樹 34 33 2628 33 379.08 12.98 63.2
李 忠成 32 24 2137 20 275 11.58 56.1
高木 俊幸 14 12 829 12 136.11 14.78 46.5
石原 直樹 6 1 115 1 11.12 8.70 37.8

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
遠藤 康 25 23 1861 23 299.9 14.50 57.8
鈴木 優磨 31 9 1188 7 167.43 12.68 48.6
中村 充孝 17 9 856 9 130.09 13.68 46.1
杉本 太郎 14 5 414 5 76.54 16.64 42.4
ファブリシオ 8 2 200 2 25.06 11.28 38.8

 

はっきりと差がついてしまった2列目

遠藤が若干数字を落としているの対照的に武藤が素晴らしいCBPをただき出している。

また、李 忠成も結果を出したと言えよう

アントラーズは遠藤のパートナーが弱かった。

原因は後述するカイオの存在であり、2ndの失速の原因と言えよう

 

TOP

 

レッズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
興梠 慎三 30 26 2264 25 305.98 12.16 59.8
ズラタン 26 5 799 5 106.68 12.02 43.6

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
金崎 夢生 30 30 2647 30 302.99 10.30 59.6
土居 聖真 30 23 2130 15 266.21 11.25 56.6
赤崎 秀平 24 17 1138 17 109.3 8.64 43.8
垣田 裕暉 3 1 84 1 3.26 3.49 35.1

 

TOPは互角

3連覇に貢献した興梠は安定した数字をだしているが嬉しい

一方アントラーズの金崎土居も負けてはいない

ただ、両チームともに言えるが残念ながら次の選択がちょっと弱いとも言えよう

 

先発なし

 

レッズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
伊藤 涼太郎 1 0 17 0 3.06 16.20 44.6

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
三竿 健斗 4 0 30 0 11.77 35.31 49.8

 

共に大きなインパクトは残せず

 

途中移籍

 

レッズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
橋本 和 1 0 10 1 1.24 11.16 42.4

 

アントラーズ

選手名 出場 先発 出場時間 評価ポジション先発 CBP 90分換算 K偏差値
カイオ 16 11 1123 10 194.63 15.60 76.0
ジネイ 6 3 205 0 31.48 13.82 47.6
青木 剛 1 0 1 1 0 0.00 42.2

 

ここが大きな要因となってしまっており、カイオの抜けた穴が大きすぎた。

歴代の優勝チームの途中移籍選手でのK偏差値は76.0

ここまで大きく貢献した選手が途中で抜けるとはっきりと言って厳しい

ルールに助けられて優勝したとはいえ、シーズン通しての勝ち点で大きく離されてしまった要因がここにあると言えよう

 

総論

上記を踏まえ、各ポジションから上位者を抜粋したメンバーを組んでみると

こういう形になる。

 

レッズ         アントラーズ    
GK 西川 周作 85.06 59.6   GK 曽ヶ端 準 85.73 59.7
CB 森脇 良太 652.23 67.3   CB 昌子 源 619.95 65.8
CB 槙野 智章 469.88 58.7   CB 植田 直通 281.33 49.8
CB 遠藤 航 450.25 57.7   サイド 山本 脩斗 491.91 63.6
3列目 阿部 勇樹 541.76 63.9   サイド 西 大伍 443.39 61
3列目 柏木 陽介 481.61 61   3列目 柴崎 岳 460.46 60
3列目 関根 貴大 397.68 57   3列目 小笠原 満男 414.23 57.8
3列目 宇賀神 友弥 269.48 50.9   2列目 遠藤 康 299.9 57.8
2列目 武藤 雄樹 379.08 63.2   2列目 鈴木 優磨 167.43 48.6
2列目 李 忠成 275 56.1   TOP 金崎 夢生 302.99 59.6
TOP 興梠 慎三 305.98 59.8   TOP 土居 聖真 266.21 56.6
  合計 4308       合計 3833.5  

 

レギュレーションに恵まれて優勝したとはいえ、勝ち点15差つけられてなので、レギュラークラスではやはり大きく差を付けられてしまっている

付けられたCBPは474.5ポイント

約一人分である

この一人分にカイオが当てはまるかどうかは別として、個々の部分のTOP選手がレッズに軍配が上がっていた年とも言えよう

もちろん、カイオが残留した場合、連動して個々のCBPの底上げも考えられるが、タラレバ論になってしまう

ただ記録としては2016年はアントラーズがチャンピオンチームである事は間違えないのだから、そこは胸を張っていいと成績である事には違いない

この年のチームは天皇杯も含め2冠タイトルを取ったチームであり、FIFA公式戦でレアルマドリードと優勝を争い、延長まで行く激戦を戦ったチームなのだから